ブードルスの誕生は1845年と古く、ビーフィーターやギルビーなどと同じ「スタンダードジン」として扱われている。しかし、私の中ではクラフトジンのイメージ。近年、日本再登場と言うこともあるけれど、作り方や味のこだわりがクラフト的。
古いところから。「No.3 ロンドン ドライジン」で紹介した(ここ)、「セント・ジェームス通り」。ブードルスの名前は、そこにあった会員制の「ブードルス・ジェントルマン・クラブ」に由来する。古き良き?、葉巻の煙でかすむ大英帝国の時代。
クラフト的なひとつは、減圧蒸留方式による製造方法。日本では焼酎の蒸留方法として重用されている。繊細な香りが得られることから、クラフトジン作りでも活用され、深みのある味わいを出せる常圧蒸留と使い分けをしているジンもある。
もうひとつクラフト的なのが、柑橘系のボタニカルを使っていないと言うこと。最近のクラフトジンの中にも、シトラス感が無いことを売りにしているものもある。基本的にジンの生命線は柑橘(時にその種類)だが、それを否定できるのもジン。
一見地味なボトルであるが、意外にインスタ映えする。若干安っぽく感じるキャップを開封。柑橘がない世界、最初は不思議な感じがしたが、飲む(ロックで)につれ、段々と気持が落ち着いてくる。甘くもない。大人と言うより、熟年の味?。
繁華街で見かける「会員制」と書かれた店、憧れでもあるが、怖さもあった。そんなドアの向こうから下手なカラオケが聞こえてくることも。会員と言っても色々あるからね。多様性やマイノリティを許容できるのがジンの世界かも。