スタンダードジンと呼ばれるビーフォーターには「ビーフィーター24」、ボンベイサファイアには「スター・オブ・ボンベイ」というプレミアム版がある。そして、タンカレーのプレミアム版が「タンカレー ナンバーテン」である。
外観から見ると、ビーフィーターは全く装いを変えたが、タンカレーとボンベイは、イメージを守りつつ高級感を出そうとした。伝統を重んじたと言うことか。ナンバーテンは、またすぐにデザインを変えたが、同じ路線だ。
重心が高く、何となく不安定。もうちょっとどっしり構えても良いのに・・とも思う。赤い封蠟のエンブレムも小さく、図柄もかなり簡略化されている。スタンダードの方が緑色が濃く、並べるとそれほど高級感を感じない。キャップはグレードアップ。
スタンダードのイメージが強いので、損をしてしまうが、風味の評価は総じて良い。スタンダードと比べると、カモミールなのか、独特の香が付加されている。ちょっと薬草感が強い。公式には、テンならではの深い香りとエレガントで繊細な味わい。
ジンの記事には、「プレミアム」という表現がやたらと出てくる。元のタンカレーもプレミアムだし、ナンバーテンもプレミアム、最近のクラフトジンもプレミアム。最初は戸惑ったが、定義はなさそうで、ワンランクアップということか。
ところで、Tマークの赤い封蝋、タンカレーの品質の証とされている。本来の封蝋(シーリングワックス)は、封筒や高級酒が未開封であることを証明するものである。今後、さらなる高級品のタンカレーには、本来の封蝋の役割を与えてはいかがか。