ラベルのデザイン等については、「本坊酒造」のHP(→ここ)を見て頂くとして、とにかく背が高い。33cmは、手元にあるジンの中では群を抜いている。大柄な日本女性が、黒い帯を締めているような印象、素敵な薩摩ぼたんの柄が和を醸し出す。
日本のクラフトジン、多くの焼酎メーカーが積極的に参入し、様様な製品を送り出している。「焼酎」、日本では多くの愛好者がいるが、世界的に見ると、結構レア。スピリッツほどアルコールが高くない蒸留酒で、特に乙類は素材の違いを味わう。
「和美人」も米と麹を主張する「焼酎屋さん」ならではのクラフトジンである。ドライジンでは、スピリッツはエタノールとあまり違いがない。せいぜい、ジンの元祖である「ジェネヴァ」、風味も似ている(→ここ)。
もうひとつは、地方色。地域の特産物をボタニカルとして使用することで、その地ならではの風味を作り出す。「和美人」では、金柑、柚子、辺塚橙(へつかだいだい)といった「和柑橘」。
辺塚は大隅半島にあり、ヘツカランなど独特の植物相が知られている。海外のジンで使われる「柑橘」のほとんどは、オレンジピールやレモンピールといった、一般的なドライフルーツである。今まで、埋もれていた和柑橘達を蘇らせたのもジンの功績か。
さて、封を切るのが恐れ多い、もったいないと感じてしまうボトル。「確かに米焼酎の風味であるが、穏やかで上品。次に来る柑橘、レモンでもオレンジでもない独特の爽やかさと存在感(芳醇)。スパイスの後味もちょっと独特。
おすすめは、やはり常温ストレート。ちび舐めすると、焼酎、柑橘、スパイスと凡舌でも味わうことができる。ロックにすると柑橘の複雑さがわからなくなってしまう。クラフトジンは、まずは常温ストレートで試してみてください。