カシス(黒房スグリ、ブラックカーラント)の果実は濃紫色で、アントシアニンなどが多く、健康果汁として、また、スイーツの素材として重宝されている。カシスサワーは居酒屋で人気者だし、ジンベースのカクテルも素敵だ。
カシスの生果は、独特の臭いがあり、とても生で食べられるものではない。ところが、シロップや果汁にすると豹変する。ブルーベリーやラズベリーにはない濃厚さと、ビロードの様な紫黒は素材として貴重なものとなる。
そんなカシス、これは【づけジン】の最高傑作になるに違いない。カシス80gをウイルキンソンジン120mlで漬けて、冷蔵庫に静置する。ちょっと不安はあった。【づけジン】は素材そのものの特徴を反映する。カシスの生果は美味しくない。
半日後、そして1日後、ほとんど変化がない、ちょっと色が変わったかなと言う程度で、味も抽出されない。マズくもならない。どうしよう!。果実酒の様にこのまま放置して・・・とも考えたが、(短気な私は)強硬手段に出た。
ミキサーにかけた。1日置いて、濾過、グラスに移す。最高の色合いだ。が、飲んでみると、苦みと、酸味と、独特の匂い。素材そのものだ。アメリカでは、加工する時にこの苦みを除去するらしい。スイーツと言うことで、ガムシロップを入れてみた。
独特の香りはあるが、酸味、苦みが抑えられ、むしろ深みを感じる。今回は無理くりの【づけジン】でしたが、こんな手口もありかなと思う出来事でした。なお、カシスの日本での生産量は、青森県がダントツです。