和歌山産の柑橘や山椒に加え、「コウヤマキ(高野槙)」の葉がボタニカルとして使用されている。このジンの大きな特徴だ。コウヤマキ、自然分布の北限は福島とされているが、庭木としては、東北北部でも(少ないながら)見ることができる。
カヤとか、ツガとかの南方系の常緑針葉樹、北国人にとって、ちょっと憧れでもある。同じ常緑針葉樹の、松とか杉などとは違う、照葉の深緑、重厚さを感じる。そんなコウヤマキが使われていると言うことで、期待感重厚。
飲んでみると、確かにこれまでに味わったことのない独特の香りが口の中に広がる。ジュニパーとも違う、松ヤニ臭くもなく、杉や檜(ヒノキ)のような爽やかさでもない。それでも、何となく針葉樹っぽい。ちょっと薬くさいところもあり、病みつきになりそう。
ボタニカルとしての針葉樹、杉とか檜など、いくつか取り入れられてはいるが、まだまだ少数派。ジンの基本となるジュニパーベリーが針葉樹であることを考えると、面白いのでは。「においヒバ」や、コニファーなど、素敵な香りのものも沢山ある。
この分野?、色々展開ができると思っていたら、なんと同じ製造元の中野BC(梅酒で有名)から、紀州杉と紀州檜を使った「香立-KODACHI ジン」が出ていた(7月)。買わなければ・・・、幸いにも、クラフトジンとしては手頃な価格(ありがたいです)。