ジンを楽しみ ジンで遊ぶ

ジン(酒)そのものを味わっています。国内外のジンを紹介するとともにジンで色々遊んでいます。

「ザ ボタニスト」 牧野富太郎先生に捧げる

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  スコットランドのアイラ島、ウイスキーの聖地であり、愛好家向けのツアーも設定されている(7泊40万円くらい)。アイラ島にウイスキー製造を持ち込んだのが、某植物学者とか。植物学者を英訳すると、「ボタニスト」。

 アイラ島唯一のジンが「ボタニスト」、ベーシックな9種類のボタニカルのほか、22種類のアイラ自生ボタニカルを加え、長時間の蒸留により造られている。かなり高緯度なので、植生としては北欧の環境に近い。

 植物学(者)、私にとって憧れ。ただ、昨今の植物学は遺伝子や化学的な解析が主流。「博物学(はくぶつがく)」、今やほとんど死語となっているが、植物学者の牧野富太郎や、南方熊楠などに流れる「自然の中で考える学問」である。自然学とも

 クラフトジンとしては先発グループであり、地元のちょっとした酒屋にも置かれている。ボトルもしっかりとした作り、真面目なクラフトジンという印象。クラシックとクラフトをつなぐ橋渡し的な存在なのかもしれない。

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 合わせて31種類ものボタニカルが入っているので、個個を評価するものではない。北欧のジンにも通じる辛口の仕上がり、しっかりとしたドライジン。ひとつひとつのボタニカル(植物)を語り出したら、牧野先生、止まらないだろうな。

 ジンの特徴でもあり楽しみでもあるのが「ボタニカル」。個個で楽しむか、総合力(調和)で楽しむか。このジンは後者だが、一口ごとに感じ方が変わる。甘味を感じたり、柑橘を感じたり、我が家の犬の肉球の香りも。