「トーマス デイキン」で検索すると、このジンではなく、「ボンベイ サファイア」ジンがひっかかってくる。そこには、「ボンベイ サファイアは1761年、イギリス北部ウエリントンでトーマス デイキンが作り出したレシピに基づいて製造された」とある。
「酒のやまや」でしか販売されていない。そこには「11種のボタニカルを使用、レッドコール(西洋わさび)のピリッとした風味が特徴、昔ながらの製法で手づくりされたスモールバッチプレミアムジン」との説明しかない。ブログ泣かせのジンだ。
このジンのラベルにも「1761」と書かれているが、古くからのものではなく、クラフトジンである。ジンの開拓者のトーマス デイキンに敬意を表し、名前を頂いたと言うことでないか。デイキンのレシピを再現している訳ではない(らしい)。
このジンのマスターディスティラーであるジョアンヌムーア(女性)が目指したのが、西洋わさびと柑橘系のバランス、そこにジュニパーなどほかのボタニカルをいかに絡ませるかに苦心したとか(らしい)。
「西洋わさび」は、清流で育てられる「本わさび」と同じアブラナ科だが、根は白く、大根の風味もあることから、ホースラディッシュとか、わさび大根とも言われる。ローストビーフの薬味として使われるが、練りワサビの材料ともなっている。
飲んでみる。クラシカルなドライジンに近いが、わさび大根の辛みと柑橘系の甘さの組み合わせ、大根の甘さも感じる。ジュニパーもしっかり効いている。クラフトなロンドンドライジン。チラッと新しさを見せながらの、落ち着いた一品。