ジンを楽しみ ジンで遊ぶ

ジン(酒)そのものを味わっています。国内外のジンを紹介するとともにジンで色々遊んでいます。

甘味、雑味、猫味 「ジンクス オールド トム ジン」

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 「オールド トム ジン」は、現在主流となっている「(ロンドン) ドライ ジン」の前(18世紀)に流行ったジンの類。その当時の製法の「雑味」を抑えるため、糖分が加えられたと言う。詳しくはWPなどを見て頂くとして、まず飲んでみた。

 甘い。しかも、砂糖の甘さ。普段ドライジンを飲んでいる舌は、「お菓子か!」と突っ込んでしまう。しかも、オレンジ類の風味が強く、しっとりとした酒入り「オレンジケーキ」といった感じ。別の飲み物と思った方が理解しやすい。

 オールドトムジンは、ドライジンにおされ細々と生きながらえていたが、最近、見直されてきている。「クラフト ジン」のブームの中で、掘り起こされたと言うことらしい。昨今のオールドトムジンは、クラフトジンのひとつと見た方が適切かもしれない。

 このジンクス(Jinx)、瓶のデザインもクラフトジン系と言って良い。彩りも実に鮮やかだ。そして、裏ラベルに描かれた猫の眼が光る。実は、この猫、オールドトムジンと深い因縁がある。名前の由来でもある。夜な夜な猫が舐めていた~~?

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 イギリスでは、雄猫をトムキャットと称し、年をとると「オールド トム」となる。ジン製造が禁止されたロンドンで、密造店には「オールド トム」の看板が掲げられ、自販機のようなシステム(お金を入れるとジンが出てくる)があったらしい。

 

 今の(復刻版)「オールド トム ジン」は、ドライジンに糖分を添加したものと言って良い。ボタニカルの構成もドライジン並であるが、このジンクスは、オレンジピールをふんだんに使っている。

 

 ところで、「雑味」とは、どんな味だったのか。雑味は、日本酒などで、本来の味を損なう味とあるが、雑な私にとって非常に興味のあるところだ。