ボーエは17世紀のオランダで、「ジン」をはじめて作ったとされる医師「フランツ・デ・ラ・ボーエ」に由来する。その名前を頂いて、スコットランドで作られたクラフトジン。いかにも、クラフト(工人)的なボトルだ。
ボタニカルは13種類、ラベル(裏ラベルの酒側)にも見て取れる。そう言えば、暫く前のワンカップには、酒側ラベルにいろんな写真があった。ラベルの工夫もジンの楽しみのひとつだ。また、ボトルのサイドが凹んでいて、持ちやすい。
日本の通販サイトなどの説明 → メインのボタニカルとなるcassia(カッシア)は、スカイ島で手摘みされる野生のカッシア・バーク(桂皮)と書かれている。基があって、皆さんコピペで紹介しているので、どのサイトでもほとんど同じ表現で書かれている。
桂皮は、クスノキ科の常緑高木であるシナモン類の樹皮。シナモン類と言ってもいくつかあるようだが、いずれにしても分布は東南アジア(熱帯~亜熱帯)で、北緯60度に近いスカイ島で採れるわけがない。また、樹皮を手摘みできるわけがない。
海外のサイトをちょっと見た限りでは、「スカイ島で手摘み」という表現は見あたらない。これ以上の詮索はやめておきましょう。実は、カッシアと呼ばれる植物が他にある。マメ科のカッシア属で、日本にはカワラケツメイが分布する。
ケツメイ茶として販売され、アサヒ「十六茶」にも入っている。青森県野辺地町の特産品でもあり、北国でも十分生育でき、手摘みもできる。実に良い香りがあり、ボタニストにしてもとも思うのだが、ボーエのものでは無いだろう。
ジンに戻って、ややスパイシーな風味を感じ、非常にすっきりとした印象。あまり特徴はないが、様様なジュース類と相性がよさそう。りんごジュースと1:1で割って見た。ボーエを加えることで、りんごの甘味と酸味が引き立つ、美味しい!